作業風景
 

1 土づくり

「稲づくり」の基本は「土づくり」です。JAいわて花巻では、オリジナル総合土づくり肥料「賢治の教え」を開発し散布しています。
「賢治の教え」は稲の身体を丈夫にする珪酸、肥料を効率よく吸収するための堆肥の源「腐植酸」、エネルギー代謝に必要な燐酸、そして各種微量要素が配合された肥料です。「賢治の教え」の散布により「たくましい稲づくり」を目指しています。
ところで「賢治の教え」の名称の由来は童話作家で晩年、農業指導に携わった宮沢賢治に由来しています。宮沢賢治は花巻で生まれ、晩年、地元の農業者と一緒に農業に取り組みました。

2 種子の準備

使用する種子はすべて採種圃産です。採種圃産の種子は岩手県農業研究センターで厳重に管理された種子を使用します。種子は、種子センターで調製・消毒され供給されます。

3 浸種(しんしゅ)

眠っている種子(休眠)を目覚めさせるため水に漬けます。種子を水に漬けると目を覚まし活動を始めます。当然、呼吸しているので水の中の酸素が不足しないように空気を送り込みます。ジェットバスに種子を漬けているようです。

4 出芽(しゅつが)

十分、吸水させた種子を播種する準備を行います。30℃の温度をかけ、「ハト胸」状態に芽を出します。芽を出しすぎると種子をまくときに機械に絡んで芽を欠いてしまいます。催芽(さいが)された種子は、育苗箱に土が入れられ、たっぷりの水を注入した後にまかれます。芽を出すため30℃の温度をかけ芽を出します。
芽出しは高温多湿の状態にあるため、カビなどの雑菌も生育しやすい状態です。まさに雑菌との戦いとなります。そこで、種子をまくときに注入する水に薬剤をいれ、カビが生育しにくい状態にします。

5 播種(はしゅ)

播種は機械により作業されます。丁寧に均一にまくことが基本となります。

6 育苗(いくびょう)

芽出しされた後はハウスに広げられます。芽出しは光の当たらないところで行われるので、一気に明るいところに出すと苗が緑色にならない時があります。
そこで、ハウスに広げられた最初の2、3日は光をさえぎるシートをかぶせ、徐々に光に当て緑色にします。
春の育苗時期の気候はめまぐるしく変わります。農家は天候に合わせハウスの開閉や水やりと、わが子を育てるように大事に管理されます。

 
 
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