作業風景
 

7 代かき(しろかき)

春、水ぬるむ頃になると本田の準備が始まります。耕起(こうき)の後、田んぼに水を張って代かき作業を行い、田植えの準備を行います。代かき作業は土を細かく砕き田面を平らにする作業です。田面が凸凹だと田植えをしたとき、苗が水没すると腐って死んでしまいますし、田面が露出すると雑草が発生しやすくなり、とても大事な作業となります。

8 田植え(たうえ)

5月上・中旬、山の雪も見えなくなったころ田植えの時期を迎えます。気温が高く風の少ない午前中が絶好の田植え日和となります。
苗の草丈は12〜15cmに伸び、大切に移植されます。
田植えされた田んぼには苗の頭が少し出るくらいに水が張られ、風や低温から苗を守ります。

9 生育と分げつ(ぶんげつ)

田植えの時に4、5本植えられた苗は田んぼから肥料を吸収し、太陽の光をいっぱい浴びながら体をどんどん大きくしていきます。
稲は葉っぱが3枚出てくると3枚下の葉の付け根から新しい茎を出し、どんどん茎の数を増やしていきます。
小さな茎のことを蘖(げつ:ひこばえ)といい、茎が増えることを分げつといいます。

10 溝きり(みぞきり)と生育調整

6月下旬になると、4、5本植えた苗も分げつし、稲の体は大きくなり、茎の数も約40本から50本にもなります。
このまま、ほおっておくとどんどん茎が多くなり、下の葉に光が十分届かないようになります。
そこで水を切り、溝を切って田んぼを乾かしてやります。
稲にとっては、いじめですが、そうすることによって田んぼに小さな割れ目ができ、空気が根に十分届くようになります。さらに葉が立ち下の葉まで光が届くようになり、秋の実りにとって大切な作業となります。

11 出穂(しゅっすい)と開花(かいか)

8月上・中旬にかけて稲は穂を出します。
稲は出穂した後に開花しますが、開花は天候がいい時は朝7時頃から始まり開花すると20分ほどで閉じてしまいます。
籾の中には6本の雄しべが入っていますが、雄しべの花糸(かし)が伸び、籾の上部に雄しべの先端に付いている葯(やく)がぶつかると同時に葯から花粉が飛び出し雌しべに降りかかります。
開花受精の後は雄しべと葯は籾の外に飛び出したままで籾はしまってしまいます。

12 刈り取り(かりとり)と収穫調製

9月中旬、いよいよ刈り取りです。農家の一番の喜びでもあります。
朝露がなくなる10時頃から刈り取り作業のはじまりです。
秋は日が短く、つるべ落としです。刈りとった後は品質が落ちないよう、すぐに乾燥調製されます。
乾燥は乾燥機で行われますが、温度管理には細心の注意がはらわれ、自然乾燥となんら変わらない品質に仕上げられます。

13 保管

米はカントリーエレベーターのサイロに大事に保管されています。春になり外気温が徐々に上がっていきますが、サイロ内のお米は籾の状態で保管され、種をまけばいつでも芽が出る、生きている状態で保管され出番を待ちます。
紙袋に入れられたお米も15℃以下に保たれた倉庫で大事に保管されます。

 
 
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