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JAいわて花巻についてAbout Us
ごあいさつ

代表理事組合長伊藤 清孝
あけましておめでとうございます。
組合員や利用者、そのご家族の皆様方に、謹んで新春のご挨拶を申しあげます。
この世界の何処かで起きていることの中には、決して遠い国の話ではなく我々の生活へ確実に影響を与えているものがある、昨年はまさにそんなことを実感した年でした。
ロシア・ウクライナの戦争による食料や燃料価格の世界的な上昇に加えて、日本では未だに新型コロナウイルス感染症対策と並行してブレーキをかけつつ経済を回していることもあり、好調なアメリカをはじめ諸外国との金利差が開いた結果、円安が進み、大半が輸入である小麦や大豆、トウモロコシなどの食料や、天然ガスや原油といった燃料の価格が大きく上昇しています。輸出企業にとっては景気の良い話かもしれませんが、そうでない企業はコスト上昇分を吸収することができず、販売価格を引き上げざるを得ないというコストプッシュ型インフレ、俗に言う「悪いインフレ」に陥っています。そういった企業は当然のことながら賃金も上げられず、多くの国民は所得が増えないのに物価だけが上がっていくという状況となり、生活は苦しくなっています。
農業も例外ではなく肥料や飼料、電気料などが高騰している一方で、生産した農産物の価格は上がりません。担い手不足や高齢化などの問題も含め、農業経営はかつてないほど厳しい環境に置かれており、このままでは地域農業が大きく衰退してしまうという危機感を抱いています。
さて令和4年度は、第5次中期経営計画の初年度として様々な取り組みを開始しました。
農業面では「銀河のしずく」の作付拡大やJA独自支援によるネギなどの園芸振興を進めています。「銀河のしずく」は他の品種と比べて標準収量が多いことに加えて寒さにも比較的強く、バランスのとれた食味と透き通るような美しさで需要が高いですし、ネギは果菜類との組み合わせにより販売期間の拡大に繋がることから、是非とも取り組んでもらえればと思います。
11月には「賢治りんご」販売のため大阪に赴き、生産農家に希望を与えられるよう高値取引をお願いしてきました。組合長に就任してからトップセールスになかなか行くことができず、もどかしい思いを抱えていたこともあって、今回過去最高値を付けて頂いたことは非常に感慨深いものでした。
また肥料の高騰に苦慮している農家組合員のお力に少しでもなればと、行政に先駆けて当JA独自で総額約3千万円の肥料高騰対策を実施することを決めました。以降の対策も検討しており詳細が決まり次第お示ししますが、今年も各方面から地域の農業を支えていきます。
くらし・組織・経営面で特筆すべきことといえば、「収穫感謝祭」と題して令和元年度以前の「農業まつり」のようなイベントを再開することができたことです。過去の「農業まつり」と比べて規模は縮小せざるを得ませんでしたが、来場した方から大変好評を頂きました。また各支店でも「ふれあいイベント」としてそれぞれ趣向を凝らした企画を実施したほか、全支店で行った「スマホ教室」「来店感謝デー」等、JAファンづくりに向けた取り組みも好評を得ています。今年も各種イベントを予定しておりますので是非足を運んで頂ければ幸いです。
ところで、月に目を向けるとウサギ模様の側がいつでも見えますが何故でしょうか。これは地球の重力の影響で潮ちょう汐せき力りょくという作用が働き、一定の側をいつも地球に向けているのだそうです。
そう今年は兎年。「月のウサギ」のように常に農家組合員の方を向いて、声に耳を傾けながら、皆様の営農と生活を守り、地域農業の存続に微力ながら尽力して参りますので、さらなるご支援ご協力を賜りますようお願い申しあげます。
皆様方のご多幸とご健勝をお祈りし、新年のご挨拶とさせていただきます。
令和5年1月1日
代表理事組合長 伊藤 清孝