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持続可能なコメ生産に向けて 水稲初冬直播栽培講習会
2025年7月9日
岩手大学農学部とJAグリーンサービス花巻、JAいわて花巻は7月8日、花巻市鍋倉の農事組合法人なべくらの圃場(ほじょう)で、水稲の種子を積雪前に直播(ちょくは)する「初冬直播(じかま)き栽培」の生産者向け講習会を開きました。
同日は、関係機関や県内外の農家ら約40人が参加し、昨年の11月に播種したイネの生育状況を確認しながら、技術の概要や栽培方法について学びました。

水稲栽培を取り巻く現状として農業者の高齢化や担い手不足、農業法人の設立加速による受託面積の増加が課題となっています。「初冬直播き栽培」は直播した種子を土中で越冬させ、翌年に発芽・苗立ちさせる新しい作型であり、苗づくりを行わないため、育苗と移植作業が不要。資材費のコストも抑えることができます。また、初冬に直播することで、作業が集中する春作業の負担を軽減させ、限られた労働力を分散させることにより、さらなる栽培規模の拡大が見込めるとしました。
同大学の下野裕之教授は「大規模化に伴い春にイネの移植や直播作業が追いつかなくなった方や、春に他の作物の作業に集中したい方に有効な技術」と説明しました。
「初冬直播き栽培」の実証実験は令和4年の冬から行われており、今回で3作目となる。JAグリーンサービス花巻プロ農夢花巻事業本部の畠山譲本部長は「今回の栽培では肥料の改良を行った。昨年を上回る反収の確保を目指す」と話しました。
持続可能なコメ生産に向けて、さらなる技術の確立と普及に取り組んでいきます。